最近の自然災害で思うこと

精神科部長 金鳳虎

日本に来て27年が過ぎました。初めての外国の旅で、希望に満ちていました。成田空港に降り、専用バスに乗って高速道路を走っている時は「美しい国に来た」と感動したことを覚えています。まもなくしてワクワクの学校生活が始まったのですが、ある日突然の揺れでクラスみんなが教室を飛び出しました。すると教室の中から先生の声が聞こえてきました。「みんな入って、大丈夫よ」と。震度3だったのです。「地震、雷、火事、親父」とありますが、さすがに慣れない地震はとても怖いものでした。だんだんと災害大国日本であることを知らされ、勤勉で忍耐強い日本国民の偉さに感心しました。

時は流れ、状況は急変してきました。1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災、2014年の広島市豪雨災害、2018年7月豪雨など、信じられないほどの大災害をもたらしました。災害に慣れて立ち向かってきた日本国民の想像を遥かに超えるものでした。「50年に一度」とか「今まで経験したことのない」とか「命を守る行動を」とかの呼びかけにも関わらず、多くの尊い命が失われました。悲しい限りです。復興支援に全国から多くの物資や募金が集まり、多くのボランティアの方が現場に向かいました。国も「人命救助を第一に」をもとに全力を注いでいるようです。筆者も微力ながら尽力しているつもりですが、ある日いつものように買い物をしている時に、ふと思いました。自分は普段と何ら変わりのない生活をしています。災害現場では日本人が家を流され、車を流され避難所生活をしている今この時に。「明日は我が身だ」というものの、被災地の事を徐々に忘れていく自分がいました。

日本で暮らした二十何年を振り返ってみると、地震予知は諦めてしまい、被災に備えることへと舵が切られました。雷や台風、大雨については予報技術が飛躍的に進歩し対応もしやすくなりました。しかし、予報できているにもかかわらず、依然として多くの人命が失われました。国は国民の命を守ることを最優先にすべきではないでしょうか!避難を呼びかけるだけでは無責任だと思います。結果的に甚大な被害が発生しました。

2012年のリオ会議で「世界一貧しい大統領」ムヒカ氏が行った伝説的なスピーチが記憶に新しいです。「私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球へやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません」。2016年には東京外国語大学で講演会を行い、「日本人は本当に幸せですか?」」と投げかけました。幸福を論ずる前にまずは命を守ることが一番ではないでしょうか!

2011年にブータン国王夫妻が国賓として来日され、日本でも一躍有名になりました。先進国とはいえませんが、「世界一幸福度が高い国」のイメージを持ち、少なくとも「国民総幸福論」という独自の国の指標を取り入れたのは素晴らしいと感じました。 2018年3月14日、国連が『世界幸福度ランキング』を発表しました。このランキングは「所得」「健康と寿命」「社会支援」「自由」「信頼」「寛容さ」などの要素を基準にランク付けされたもので、日本は昨年の51位から54位に後退しました。 日本は一体どこへ向かおうとするのでしょうか?

忙しい日々の中でも一度立ち止まって、考えてみる問題ではないでしょうか!


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