患者さんも職員も末永く健康に!

院長 高沢 悟

新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。今年も犬山病院、医療法人桜桂会は地域の精神保健・福祉に貢献し、サービスの向上のため様々なプランを予定しています。その一つの大きな改革ですが、犬山病院は今年の4月より敷地内禁煙に踏み切ります。来院される患者さん、ご家族、ご友人、関係各機関の方々のご理解とご協力を何卒お願い致します。

最近、TVなどでも受動喫煙に関しての啓蒙番組を目にすることが多いと思います。喫煙の健康被害だけでなく、受動喫煙、つまり副流煙に因る非喫煙者の健康被害がクローズアップされていますが、この動向は平成14年に制定された「健康増進法」に始まります。その第25条には「学校、体育館、病院、劇場云々…多数が利用する施設を管理する者は、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなくてはならない」と記されています。厚生労働省からは年間1万6千人が受動喫煙で死亡しているという実態(乳幼児や女性に特に被害が大きい)が発表されていますが、既に屋内禁煙を徹底している諸外国では、心筋梗塞などの心疾患が15−39%、COPD(慢性閉塞肺疾患)・喘息などの呼吸器疾患が24%、脳血管疾患が16%減少したことが45論文のメタ解析として報告されています。東京オリンピックを4年後に迎えた我が国は、先進国では最低の禁煙率で不名誉な状況ですが、オリンピック開催までに受動喫煙防止を推進する方向で国は対策を強化しました。タバコには40種類以上の発がん物質が含まれていますが、禁煙されていない環境では非喫煙者もその被害を被っているという事実が分かってきています。

我が国が批准している「タバコ規制に関する世界保健機関枠組条約」第8条(受動喫煙からの保護)のガイドラインでは「喫煙室や空気清浄機に依る対策は不適切であり、受動喫煙を防止するためには100%禁煙とする必要がある」と明記されています(厚生労働省ホームページ:http://www.jadecom.or.jp/overrewiew/
日本禁煙学会ホームページ:http://www.jstc.or.jp/参照)。

精神科病院はもちろん医療機関ですので、平成14年の「健康増進法」に規定される施設に含まれている訳ですが、多くの精神科病院ではまだ全面禁煙率は50%に満たないと云われています。これも、長期の社会的入院が容認されていた我が国の精神科病院に対する特別視の一つだと思われます。医療関係機関が禁煙でないのもおかしな話ですが、これは精神科病院が制度上「病院」ではなく生活の場である「施設」と考えられていたからでしょう。精神科病院は禁煙しなくても許されるというのは一種の逆差別ではないでしょうか。犬山病院では昨年「リカバリーセンター」を立ち上げました。地域生活の定着を目標とした、総合的リハビリテーション・アウトリーチの拠点となる組織ですが、精神障害の方も地域で生活する一市民として普通に暮らし、自らの幸福を手に入れるための活動を展開しています。また、昨年の病院祭は「桜桂会祭」と名称を変え、地域の方々を広くお招きして盛会となりましたが、桜桂会祭の特別講演として福島県立医科大学会津医療センター 精神医学講座 特任教授 福島県病院局病院事業管理者の丹羽真一先生に「リカバリーを目指すSSTと薬物療法」というタイトルでお話し戴き、当事者の方を含む150名を超える皆さんが集まって下さいました。丹羽先生はご講演の中でリカバリーの4つのキーワードを提示され、その一つに「自己責任」という言葉を上げておられました。これは、精神障害の方でも、私たちと同様市民としての責任があり、それを果たすことがリカバリーには欠かせないというお話だったと思います。受動喫煙によって、非喫煙者の方や出産を控える女性や生まれてくる子供たちにも大きな影響が生じます。どんな人でも共に生活する人々の健康と幸福に配慮しながら自らの行動に責任を取っていく、そういった社会参加こそがノーマライゼーションの基本にあるものです。敷地内禁煙はこういった我が国の精神医療の歴史を見直し障害者差別の解消にも繋がる一歩でもあると捉え、重ねて皆様の協力と理解をお願いしたいと思います。

(白帝ニュース平成29年1月)


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